すいようび、ヤモリがでた。
朝起きてから、寝床がぐちゃぐちゃなので、ちょっと綺麗にしようとパジャマをもちあげようとしたら、小さいのが、いた。
「わあ!」
と一人でけっこう大きな声をあげた。パジャマを動かしたら、つるるるると動いて、まるまっている布団のほうへ消えた。小さいトカゲみたいで、ちいさくて、電気もつけていなかったので、色は、灰色か茶色かはっきりしない。
パジャマ、枕、タオルケット、布団……、ブツを一つずつよけるうちに、すすすと動いて、ベッドの後ろのほうから隙間に行くのがみえた。
ネットでヤモリの捕獲方法などを検索するが、「動きはそんなに早くない」とはいえ「餌は生き餌のみ」とでてくる。(ヤモリを捕まえたいニーズは、自分のように家に入ってきたのを捕まえて逃がしたいパターンと、飼っているヤモリが家のなかで失踪したものを見つけたいパターンがあった)
ヤモリはそんなに怖くない。いてもいいのだが、どっこい、ここはマンションである。一戸建てなら放っておく。マンションではよろしくない。食べ物がそんなにないと思う。
「大きい音」が嫌いらしいので、しばらく窓の隙間をあけて、ラジオをつけたりしていたが。(ここ、笑うところらしいデス)
でていったかわからない。家のなかのどこかすみっこで、力尽きてカピカピになってしまうのか……
と、なすすべもなく、ぼんやり気にしていたのち、金曜日の朝。
「いた」
と洗面所にいる家人の声。手のひらのなかに捕獲。かけていたバスタオルのはしっこにいて、ちょうど捕まえやすい位置にいたという。寝起きで朦朧としながら、セコムを解除し(高級ではないがむかしは独居女性もターゲットにしていたマンションなのでついてる)、ベランダにでる窓ををあける。手の隙間からの撮影にも一応成功。ヤモリだと思う。家人の手をちらちら動き回り、野にお戻りいただいた。
よかったー。
よかったよかった。
すっきり、らっきー。
家人は緑の山奥出身だが、ヤモリを捕まえたのははじめてだといっていた。トカゲは足が早くて捕まえられないってさ。
なにか、いいことあるかなあ。
(マンションでも勝手に入ってくるなら、勝手に出ていくのか)