茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

「誰も売れると思ってなかった」の意

 松Pさんがあれよあれよというまに騒ぎのど真ん中で大立ち回りを続けている。音楽的な来た道を考えれば、彼にとっては避けられない道であったかもしれないので、ただふつうに静かに、応援するしかない。
 この一連の騒ぎのなかで、遠い昔の、20年以上前の、ずっとひっかかっていた知人の言葉について、いまさら新たなる解釈が生じたので、メモしておきたい、という衝動に我慢できず。(でも何回かブログでネタにしているような気もするが)


 CHEMISTRYがデビューしてどれくらいのころか、もう時期を忘れてしまったけど、テレビ東京に勤めている(いた)知人が、彼らのデビューについて軽くこういったのが、ずっと頭に残って、ひっかかかっていた。(その人は直接asayanに関わっていたわけではない)


「誰も売れると思っていなかった」「なのに売れてしまって、終わるはずだったasayanも続いているけど、出演料がかかるナイナイをあんなふうにつかって、もったいない」


 それは、当時すでにCHEMISTRYのファンであった自分には、当然「かちーーん」ときた。そこで「それはいったいどういうことだよ、彼らの実力は、そんなに不足しているとか、見合わないということかね」とか意図を聞いてみればよかったのだが、小心者だったので、できなかった。
 どういう意味だろう、どいういうつもりで言ったのだろう、モヤモヤウジウジ、と、勝手にひとりで考えていて、あっという間に20年以上すぎていた(おそろしや)。
 それが最近、山下達郎氏のラジオでの発言で、自分のなかに、ぼんやりと、こういう考えがうかんできた。


「当時の彼らにはもちろん、松P氏、テレ東には、お金もコネもなかった。だから、当人たちの実力とか、楽曲の完成度など関係なく、本当に、売れる理由がなかった、仕込みもなにもなかったから、売れるとは誰も思わなかった、思えなかった」


 テレ東はいまもその方面へ金もコネも薄そうですが。
 つい最近、要さんも「オーディションはガチだった」と話している。え、そりゃ当然でしょう、だってオーディションじゃん?、などと思うのは、お子様もお子様、赤さんだぜ。


 コネ、根回し、仕込み、貸し借り、当たり前!!


 オーディションといいつつ、芸能人の子供とか、芸能事務所の訓練生とか預かりとか、そういうのが混ざっていて、誰かをデビューさせるためのオーディションも当然ある。
 芸能界は、人脈で成り立っているのである。『推しの子』でもゆってる。


asayanはそもそもは、吉本と小室さん?の夢の音楽バラエティで、序盤は音楽もまじえた笑いのネタとかもやっていて、一つだけ大きく印象に残っているのは、「英語しばりのプロレス」だ。それはめちゃくちゃおもしろかった)


 もちろん、そうはいっても、ときおり、想定や期待の範囲外のことは起きる。不確定要素というか、「大手の誰か」が意図していないことが本当に起きる。まあ売れりゃいいかな、ぐらいでだしたものが、当たることもある。それもまた、芸能界というヤクザな世界の面白さであり宿命だ。
 ケミちゃんは、おそらく、そういう不確定要素の大きいほうだったのだ。イチ視聴者の自分からすると、そうはいってもテレビだし、ソニー系列だし、なにも手回しないとかないでしょう、なんて思っていたけど。
 多分本当に、最低限のミニマムな動きしかなかったのだ。(それでもデビューシングルのMVは、いまどきのほとんどのアーティストのものと比べると、格段にお金も人も手間もかかっておりますが。それはまだそういう時代だったのだろう)彼らは本当に売れると思われていなかった。でも売れた。ヒットした。それは彼らと楽曲制作チームの実力の表れだった。


 松Pさんはずっとうさんくせえ業界のおっさんだなあ、と思っていたが、今回の騒ぎでだいぶ認識を改めた。勝手で短絡的なイメージとしては、「ブラックミュージック好きに悪い人はいない」であるニコニコ。いや、知らんけど。でも音楽好きゆえに、音楽を愛しているがゆえに、業界のまあまあまっただ中にいながら、ずっとピュアだったのかもしれない。近くにいた邪悪な気配には、気付かずにいた。尊敬して、慕っていたのだろうから、余計にわからんだろうけど。


 半世紀近く経って、義理人情というマインドコントロールにがんじがらめの偉大なミュージシャンの証言のおかげで、自分は、古い知人のコメントについて、ポジティブな印象を抱けるようになった。そこだけはありがとな。
 統一教会とかと話が似ていて気持ち悪いので、時間はかかっても、支配から脱する努力を、誰もがすべきだ。