ついにKindleで買ってしまったが、紙でも買うかもしれない。
何度読んでも毎回なにかわああとくるものがあって、感想がまとまりがつかないがひとつだけ。
以下ネタばれありかも。
主人公が捨て子故の所在のなさ、浮遊感というのは最初から通奏低音のように何度もくり返し描写されていたが、本編終了後にその拾われた日の話が収録されていた。それを読んでいて、そう、お寺だ、お寺の子じゃん、仏の子じゃん!、と気付いた。捨て子で血縁の無い雪は、土地神となんらかの対決をするために、どこか別の神様からおくられてきたんじゃねえかとか、読んでいる途中で思っていた。うんにゃ、仏教の世界からきたのよ…
となるとちょっとぞっとした。物語の完成度の高さと、土地神と仏教と。
伝承、代償をもとめる神とか、神殺しとか、本当にこれでもかといろんな要素がつめつめの傑作。つい最近まで知らなかったのがくやしいやら腹立たしいやら…。