茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

有機ELテレビでみる Silk Sonic の4K "Leave the Door Open" がすごい

 4.8億回再生されているおもしろかっこいいR&B楽曲。なにがおもしろかっこいいかは、ちょっとみたらすぐわかるので、楽曲を聴かなくてもみてみてほしい。


Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic - Leave the Door Open [Official Video] - YouTube


 きめきめのそろった動きが面白くて、リリース当時、あっというまにめちゃくちゃ真似をされまくっていた。


 が、有機ELテレビ的注目ポイントは、そこではなく、

  • カメラの寄り
  • カメラ目線

 である。
 4Kでなくても高画質で、その楽曲の魅力は十二分に堪能できるからこそ、ヒットした曲なのだが、なにげなくみていたMVが、4Kだとぜんぜんちがう魅力があった。


 ひらたくいえば、臨場感であるのだが、なんだかもう、その場で観ているような、というのは、足りないというより、違う感覚だ。もっと自分の感覚に近い、というか、そのパフォーマンスがもっと個別的に自分にアピールしてくるような。


 MVでは、レコーディングスタジオのような場所で、歌を歌いながら、楽器を弾きながら、彼らはニコニコご機嫌な様子で、「こちら」に切々と歌ったり、チャーミングな笑顔をカメラ目線で向ける。
 その、その「こっち」を向いている感覚が、単に目線や、顔がこっちを向いている、ではなく、


「そこのそちらのかた、いまそこでこちらにむかってめくばせしたり歌ってくれてます??」


 と頭で思うより、肌感覚で感じるのである。


 想像してみてほしい。
 街角ピアノがある。駅の中とか、ショッピングセンターの広場とか。あなたはその楽器のほど近いところにいる。誰か弾くのかな、弾きに来ないかな、などとぼんやり考えつつも、あまり深く考えていない。
 そこに、誰かが、ピアノに近づいてくる。慣れた様子で椅子に座る、鍵盤の蓋をあける。ちょっと息を整えるまもなく、手を指を鍵盤の上におき、音を鳴らす、弾き始める。それはすごくうまいとか下手とかそれ以前に、そこで、近い場所で、生の音が鳴りはじめる、その瞬間の、耳だけでなく、全身が、そちらにつよくひきつけられるとき。


 それなのよ。

 音のリアリティというと、高音質とか、なんとかチャンネルとか、音は音で追求されている。有機ELテレビは、それだけではそこまで音がいいわけではない。
 だが、
「うわ、いまそこで歌ってる??」
 みたいな感覚が一瞬おこるのだ。
 これがとにかくぞわぞわする。もぞもぞ、やきもき、うきうき、そわそわ。
 なにげなく何回もみていたMVだが、その作り込みはすごいもんだな!、と驚嘆した。


 なぜならば、単に4Kで撮影したからといって、そうはならないからだ。
 4K映像はすっごくすくないが、それなりにある。自然の風景が圧倒的に多くて、次に動植物、あれば自然と馴染みがよい民族的、歴史的な建築や衣装などだろうが。まだ人が入った映像やエンタメも少ない。音楽関係も4Kは多くない。
 4Kで自然や美しいものを撮影する、というのは、それはそれだけでまあまあ価値ができてしまうが、おそらく、エンタメ系の映像をただ4Kカメラでいままでと同じように撮影しても、4Kならではの感動や付加価値は、たぶん簡単に現れない。
 高画質だね〜臨場感あるね〜というだけで終わっていては、自然やスポーツなどまだしも、エンタメの4Kコンテンツでは、それでは許されない、新しい商売にならない。
 撮影、演出、編集の技術の進歩はこれからで、可能性はすごい。VRなどなくても、ものすごい「そこにいますわ」感覚が作れるかもしれないのだ。


 また、想像してください。
 超絶イケメンうたうまグループが歌っているとしますけど、それが、「えっ、いま私のために、歌ってくれてる? 歌ってくれてますよね?」と、積極的な錯覚や思い込みではなく、かなり本当に一瞬そう思えてしまうのだ。
 それはおそらくは、ライブ映像ではなく(ライブ映像の4Kはそれはそれで発達するのだろう多分)、やはりあるていど作り込みがある、MVなどで生み出されるものかもしれない。だってライブ映像だからってステージの上に自分がいるのは変じゃろう?。
 あるいは、メタバースが発展したら、ライブの定義も変わるのかもしれない。混ざって楽しむのがふつう??みたいな???


 Silk Sonic の他にも、「自分に歌ってくれてます?」ばかりでなく、映像世界に自分がいるような感覚になれる映像とか、あるのかなあ、増えないかなあ、とこれから地道にさがすけど、YouTuberさんたち、4Kで撮影して! そして視聴者がすぐそばで、いっしょにそこにいるような感覚の動画をじゃんじゃん作ってくれ!




有機ELテレビは、事実上引っ越しできない(巨大で頑丈な箱を置いておけるスペースがあるセレブならさておき)、リサイクル家電対象でもないなど目下の所はまだまだ恐ろしい子!なので、このさき5年くらいは引っ越しの予定がない人だけが買いましょうね(どこで買えば買う前に教えてくれたのかなあ血の涙)