黄色い字幕、怒濤の台詞、独特のカメラワーク、激しいドラムの音。久しぶりにポップコーンをむしゃむしゃばりばりし続けるおばさんおじさんに囲まれる。何かと試練はあるが、ぜんぶひっくるめて、じわじわと積み重なってくる居心地の悪さが面白く楽しかった。観に行く前、ジャパンプレミアでの米倉涼子にはイライラっときていたが、観たあとは、オッケー、完璧。彼女も楽屋にいる側の人間だ。彼女はあそこにいるのに、ふさわしい人間だった。
観る前に「レイモンド・カーヴァーの小説を読んでおくと良い」的ツイートをみかけたが、そんなの要らんです。既に手元にあって、暇があるなら読んでいればいいんじゃない?、ぐらいじゃない?
演劇、映画、音楽、絵、まんが、アニメ、小説など、少しでも創作したり演じたりする側の人間ならば(たとえ趣味でも)、あるいは、それらをずっと愛し続けているあるいはオタクというならば、映画館へ急ぎ、えもいわれぬ感覚にたうちまわることができる。
そうそう、おっさんおばさんがメインの映画だけど、若いうちに観て損はないと思うぜ!
イニャリトゥ監督の作品