続き。
鳥たちはやはりアパートの高いところの屋上に集まっていた。見上げると時折、ぐるっと縁を囲っている。
よく晴れたある日。
そいつらがぜんぶ白い大きな鳥に置き換わっていた!
おそらくはサギ先輩たちである。
青い空を背景に、真っ白な優美な姿で、先日まで別の鳥たちが陣取っていたところに集まっている。建物のはしっこのふちに並んでいる。
単純に美しい。真っ白な並ぶやつら。
とつぜん
「カンカンカン!」
と、金属音が鳴り響いた。その瞬間に、鳥たちはいっせいにふわっとその場所を離れて、四方に飛んでいった。
「カンカンカン!」
は、数回続いて、すぐにやんだ。
鳥たちを追い払っている。
音で推測するしかないが、屋上のあたりの金属を金属で叩いているようだ。
鳥たちが集まる建物のなかからは、鳥たちがそこに集まっていることは、わからない。見えない。アパート全体は、他の建物もあるので、そちらからは見えるだろう。向かいのたてものから気づいた人が、「やつらが来た!」と連絡し、「行きます!」と誰かが叩きにいっているのだろうか。