茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

鬼滅の刃と聖闘士星矢

 鬼滅をみていると、技を叫んで超人的能力で少年少女たちが戦うってなると、聖闘士星矢を思い出す。(時代が違うので聖矢のほうはだいたい少年しかいませんが。)かつて九州の片田舎で、それなりにはまっていた。
 さいきんAmazonプライム聖闘士星矢の映画をみつけた。映画はひとつもみたことがない。当時は、映画を観に行くというところまでの経済力とかいろいろなかった。田舎だったので、映画をみにいくのはすごく大変だったし。それでアマプラで30年越しぐらいに、なんとなくあまり考えずに、再生したのが「深紅の少年伝説」(88年7月)。おいおいやけに豪華キャストだなと驚いたのち、あまりにもとんちきっぷりに、ビックリするやら呆れるやらおっそろしくなるやらである。もし自分の娘がこんなとんちきなものにはまっていたら、びっくりしてうろたえて、ちょっとあんたそれ大丈夫なのとかいっていたかもしれない。本当にこんなアニメをみて喜んでいたのか、じぶん。すっごいわー、若さなのか何なのかわからんけど、すごいわーー。
 映画の順番を無視していたので、ぐぐって順番にみようと考える。いっさくめとなる「邪神エリス」(87年)をみる。深紅にくらべると、だいぶ自分のなかの記憶の聖闘士星矢っぽい。豪華なのにサクサクすすむので面食らっていたが、なかなか楽しく見ていた当時の興奮(?!)がよみがえる。そして「神々の熱き戦い」(88年3月)を再生してみたら、また氷河くんがちょっと物語のあれ……と思っていたら、



 えっ、ちょおっ、おわああ
 俺は、俺はいったい、どうしたらいいんだああああ?!!!


 と無駄に謎に動揺する。だって、だってピーーとピーーがピーーー!!!なんて、きいてないよ、しらないよ!! 知ってたらわたしきっとピーーーー!!!  あなた、動揺しているの興奮しているの、どっち?


 聖闘士星矢はすごくとんちきなんだけど、まさにオリジナルの世界観がすごいというのにふさわしい。わけがわからなくて濃ゆくて圧倒される。なんだかわからんけど圧倒されるのだ。話とかほとんどないし、設定もゆるい気がするし。でもいざキャラクターたちが動いてしゃべりだすと、なんかもうすごい。そして映画は作画がいいというわけでもなく(時代が違うので)、だが声優と音楽がやたら豪華であり、重厚である。音楽、すごい、分厚くて重い。
 鬼滅は聖闘士星矢に比べたらぜんぜんまとも(!)でちゃんとしているし(!!)、ぜんぜんわけわからなくてストーリーもしっかりしているけど、いうなればその圧倒的熱量、得体のしれない濃さ、聖闘士星矢に似たものを感じる。それが、子どもや若年層の心の奥底にあるようなものを、熱くたぎらせて、数々の奇行に走らせるのかなと考える。


 ユニークな違いで気付いたのは、鬼滅は日本の武道がお手本というか基本になっているはずだが、聖闘士星矢の戦いはいったいなにをお手本にしていたのだろうか、ということである。格闘技だとは思うが、あまりとっくみあったりしない。技を叫んでドバババーン!とかで終わってしまう。でも格闘技の雰囲気はある。構えている姿勢とか、ああいうのは概ねボクシングとかなんでしょうか? いまさらだけど面白い…。
 あのとんちきなアニメを、当時のアニメーターたちはどんなことを考えて作っていたのだろう。怖い絵とかたくさんあるんやもん…。最近のアニメは、全然たちうちできないところではある。


 鬼滅の刃のアニメは、面白いんだけど見ていて同じくらいストレスも溜まる不思議な作品である。これからはどうなるんだろう。原作は読みたいなあ…。