茶ぶろぐ

40代のライフスタイル@TOKYOブログ

気付いたラーメンの食べ方

 比較的最近まで、ラーメンの食べ方について気付いていなかったことがある。なぜ気付かなかったのか、なぜそうなったのか、理由を考えてみたが、「スープをのむのは塩分のとりすぎなどで体に悪い」という話が、あやまって伝播していたのだろう、自分に。


 人生は、もうだいぶいい年で、平均寿命の折り返し地点も近い、まだか、ぐらいであるので、まあそれくらいの歳月をまちがった食べ方で過ごしていた。というのは大げさで、真剣にラーメン類を食べ始めたのは、30歳か33歳以降である。こどものときはカップラーメンとか食べましたが、基本的には家に常備されていなかったと思われるし、外のお店のラーメンなど、年に一度も食べなかった。近所にラーメン屋がなかったのだ、たぶん。とんこつラーメンエリアに住んでいたのにね。


 それで食べ方だ、食べ方。二十年ぐらいまちがっていた食べ方、それは、「麺だけ喰う」である。麺があるときに、スープをほとんど飲んでいなかった。カップラーメンはとくに。外でもあまりスープをのむ習慣がなかった。味見したりはしていたけど。


 何を喰っていたんだろう、俺は、と思うけど。
 そとで、ラーメンの器をもって、ぐいーと呑むのは実際不可能だ。だって重いし熱いしたいていべとべとしていて滑る。ウルトラどんくさい人間は、そんなリスクはおかせない。
 レンゲがあるんだから、それを使えばいいのに。そう、味見ぐらいはしていた。味見ぐらいは。レンゲで適宜スープを味わえばよかったのに、味見ぐらいしかしていなかった。ろくすっぽ、味わっていなかった。


 何を喰っていたんだろう、ヲレは。
 ぜんぶ飲み干すのは中年としてはダメだと思うし気持ち悪くなるだろう。しかしラーメンとして、スープ類がある食べ物において、液体をも十分に味わうことをせずに食べ終わるというのは、犯罪に等しい、断罪される行いではなかろうか。
 そもそも体に悪い。麺だけ、具だけ、食べてるなんて、ダメだと思う。


 食べるなら、せめて、バランスよく。


 気付いてから、少しずつスープも食べるようにしている。そう、食べればいいのだ。麺類を食べたら、そのあいまにスープをすするのである。
 すると、なんと、なんと
 なんと、全体的にゆっくり食べる!
 気がする。以前は麺だけ具だけ、早食いしていた。
 みっともないどころか、人としておかしい。マナー違反ですよ。


 なぜいまさら、それを、最近、少しずつ、あれ、もしかして、なんか、変じゃね、と気付き始めたのか。
 そのきっかけは、あえていうなら、つけ麺である。つけ麺は麺がメインである。どううんとでかい麺がとぐろをまく。麺だけで美味しいのがよいつけ麺だが、液体と絡めたらよりうまいが正しい楽しい麺である。そう、両方味わうのだ、両方……、


 ちょっとまて、ラーメンは?
 ラーメンはどうしてるの、自分? ラーメンのほうが、美味しいスープが、いっぱいあるじゃん…??!!


 のような気付き。
 人生は不思議だ。いくつになっても新鮮な驚きに満ちている。


 それでもまだときどき、忘れて、麺だけ食べる癖がある。なんの意味もない。君はいったい何を考えてトムヤムクンラーメンをくっておるんじゃ。