茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

値踏みはうまくやってほしい

 丸の内のビルに平日のランチを食べにいった。
 高層ビルの高層階、というわけにはいかないが、美しい東京駅とその広場を見渡す、なかなか眺めの良いレストラン。店員さんに、ものすごくわかりやすく値踏みされてしまった。
 気持ちは分かる。店内には、予約してかなりの人数でグループでランチにきている丸の内的男女の集団がいた。そういうものとはまったくそぐわないからだ。外国人観光客でもないし、垢抜けている格好なわけでもないし、中年だし、見た瞬間に、
「けっ」
と舌打ちしているのが聞こえるような顔をしていた。(その瞬間に店を離脱するべきなのか、反射神経がにぶいけど、次回からはするかもしれない)
 知らないお店だけど、ぐぐったら「高級フレンチ」とのことで。味はまあまあ美味しかったので残念だった、という感想もでてこないほどのサービス??というか、客あしらい。まあ、味はよかった、もりもり食った。


 東京駅前で高級フレンチというわりには、印象としては、渋谷のイライラするのもその醍醐味みたいな飲み屋並だった。まあ、世の中、よほど金を積むか、ホテルなどそういう場所へ行かないと、適切なサービスはうけられないことはわかっているので、そんなに腹はたたないけど、
「値踏みはもうちょっとうまくやろう?」
と、思った。
 東京とか有楽町はそういうことがよくある。銀座三越の店員も値踏みが露骨で下品。「相手をしない認定の客」のがへた。
 有楽町の阪急のアパレルもかなりひどくて笑うけど。
 すごく丁寧な接客なんかいらない。店員が客をつま先からてっぺんまでなめるように視線をはしらせて値踏みするのは当然だ。この客はこれくらい金を持っているな、と値踏みすることは、客商売には必要なスキルだ。でもそれが客にばればれに伝わっているのでは、クズクズしくて、こっちがはずかしくなる。
 身だしなみだけ整えて、そんな仕事してイキッてて。そんなふうな仕事したいなら、渋谷にいけばいいのに。ちがう、丸の内がそもそも渋谷とあまりかわらんということか。


 そっか。そうだわな。


「露骨に値踏みすることでうざい客を追い出す」が、業界では正しいスキルなのかもしれない。それはそこでは正解なのかもしれないが。仕事でそれをして、プライベートではそんなことはしない、なんて器用なことは、ほとんどの人はできない。95%の人には不可能だ。値踏みしてジャッジして、生きていけばいいさ、みんなみんな、そうしている。


 蛇足。印象に残っている接客は、たぶんいまは建物ごとなくなってしまった、表参道にあるビルのレストラン。平日で、天気が悪くて、本当に人が少なかったせいかもしれないけど、店員さんたちがとてもそれらしいサービスをしてもらった。
 コンスタントにはずれがないのは、モナリザだ。年に一度も行けないけれど。料理の高さほどサービスがかっこつけていないのがいい。サービスのレベルが低いというわけではなくね! 恵比寿の本店の和やかさはちょうどいい。丸ビルのほうはちょっとかっこつけ感があるけど、スーツのおっさん同士がもくもくもディナーしたりするから、あまり和やかにはできないんだろう。
 世の中には、モナリザのちょっとぽわっとしたサービスでは物足りんけしからんのひともいると思う。でもそれ以上は、ホテルのレストランとかに行くしかないんじゃないかな。様式美を求めたいときもときにはある。