茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

映画『モーリス 4K』鑑賞メモ

洋画「モーリス 4K」公式サイト

 長年謎だった、「モーリス」をついに観てた。恵比寿での上映が18日までで(19日からは新宿)、一律1500円だからレディースデーをまつことなかったじゃんと、あわてて行ってきた。
 自分はあらふぉーなので、モーリスはリアルタイムのようでそうではない。ネタとしてみかけるけど、ぐらいの世代。いつかはみたいと思っていたが、文芸大作ぽいので、映画館でみられないかなーとなんとなく思っていた。すると4Kである、高画質である。生きていればいいことあります。

 あらすじもほとんど知らずにいったので、最後の最後までドッキドキしていた。ふつうに映画として面白かった。テーマがセンセーショナルだったから話題になったというだけの映画ではない。多少の忍耐や理解力や前提知識は要求される。いろいろわからないこともあったけど、この先の人生でゆっくりひもといていけばいいのである。それが作品の醍醐味だ。

 自分はヒュー・グラントのかっこよさは以前からわからなかったので、主演をおしのけて、4Kでヒューグラントの美しさがよみがえる!的な宣伝が胡散臭く感じていたが、美しいときがあった。そうでなければならないのだが。モーリスを演じるジェームズ・ウィルビーのほうが、表情のバリエーションが多くて、いろんな顔をみられて、いいんじゃねえかなあと思うけど。(公式サイトのCAST情報がなぜ画像! それ情報になってないからな!!)

 なんといっても、ルパート・グレイヴスさん! これがまあ、すごい、の、なんのって。こんな映画を残してくれてありがとう監督!! 万歳からのジャンピング土下座の気分。SHERLOCKでレストレード警部が少しでも気になっている人は、都内なら恵比寿または19日以降は新宿へ走れ。

 小説が書かれたころ、発表されたころ、映画が作られて公開されたころ、そして現在。世界の価値観は変化していて、自分もかわっている。それを前提に現時点での率直な感想は、個々人の感情と社会システムという普遍的な問題の上で描かれているから面白いということだった。時代や場所において、それぞれが社会の慣習や、その出自によるくびきを抱えている。それらとどうやって折り合いをつけていくか、どうやって打ち破るか、永遠の問題だ。あまりにもそんな風に抽象化するとなんでもそうなるじゃんて感じだが、「感情」「気持」が、すごく伝わってきたというか。そしてまた、恋とはままならぬものであるということを、いまさら思い出した。

 若いときにみたら、あの海外のおっさん(何才だったか知らないがおっさんにしか見えなかっただろう)たちを美しいと思えたかわからないし、話もついていけたかわからない。いまは自分はじゅうぶん年をとったし、SHERLOCKを知っている。だから自分には、自分としては適切な時期にみたのかな〜と思った。
 就活のあいまにきたらしい若い人がいた。君、それ、最高にいいセンスだ! いい選択だ!

 観るべき傑作名画の1本、なのかはわからないけど、イギリスの上流階級はいやらしいしゃべりかたするなあ、とか、ケンブリッジっていまもこんなかなあ、とか、クリケットのルールはしっておくべきだった、とか、いろいろ、いろいろ人生に種を大量にまいてくれる密度の濃い映画だった。だってアラフォーで観てもたくさんあるんだし。
 そして最後が気になって気になってドキドキしっぱなしだったので、細部とかそういう謎のところとか、もう一回落ち着いて観たい……と思ったので、ブルーレイで発売されるんですよね? 吹替もつくんですよね?? 吹替はぜひ幻のテレビ東京午後のロードショー版で!!

モーリス (小説) Wikipedia

 字幕は戸田奈津子で、時々英語が話せない自分でも「ん?」と思う訳があった。当時はそれで良かったのだろうか、よくわからん。わからんけど。英語の字幕版もみたいなあと思った。R-15ってのは、どこらへんがそうなんでしょうかね? テレビならぼかしがありそうなところがないからでしょうか。まあ実はそういうシーンほとんどなくて英国男優になれると見落とすくらいです。


 原作小説は流通してなさそう。角川さん売れないのかな。小説やパンフレットの表紙が三人だけど、詐欺ダナー。