茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

ムーミンの声や吹替についてあるいは野島さんと白熊さん

(敬称略)


 ムーミンの声といえば、誰ですか?
 高山みなみ!、ではなく、岸田今日子なのです。
 絵が怖いとか原作者がなんとかいおうと、とりあえず岸田今日子だ!。


 よって、高山ムーミン(作品全体)がてっぱんではない。確かに高山ムーミンは、アニメーションとしては、理想的かもしれない。しかし、岸田ムーミン(1969、1972)は、絵があんなにもかかわらず、Wikipediaによるといろいろ問題はあったようだが、ムーミンをひろく日本にひろめたのは間違いない。厳しい条件下にもかかわらず、あの世界観を伝えたのは、岸田今日子なのである。


 という大前提に立って、パペット・アニメーション。どうもおかしいなと思っていたら、2009年公開の『夏まつり』はいちど野島健児になっているが、2015年の『彗星』は高山みなみになっているのである。かつ2017年の『 映画『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』は、そのどちらでもない。(これは『冬』を原作にしているんですかね?)


 そもそも、いろいろあるし、日本にはいってきた順番があれこれでよくわからない。


1969年 日本でTVアニメ(岸田)
1972年 日本でTVアニメ(岸田)
1979年 ポーランドでパペット・アニメーション TVシリーズ(作者監修らしい)
1990年 日本でTVアニメ『楽しいムーミン一家』(高山)
2003年 パペット・アニメーション TVシリーズを劇場で公開、DVD発売(ぜんぶ岸田)
2009年 パペット・アニメーション TVシリーズを元に劇場版『夏まつり』(野島)
2015年 パペット・アニメーション TVシリーズを元に劇場版『彗星』(高山)
2017年 パペット・アニメーション TVシリーズを元に劇場版 ウィンターランド ?(その他)


 公式では70年前後のアニメは黙殺されているらしいけど、03年にぜんぶ岸田版があったりでなんだその二枚舌はというか、黙殺というのはただの噂話かな。


 2009年のときには「キャストを一新」みたいな文句もあったようだが、それは正確ではないだろう。作品とか体制がとか、その都度、いろいろ、ちがうようだし??。日本での再アニメ化でなら、それをいってもいいとは思うけど。


2009年パペット野島ムーミンと、90年代高山ムーミン

ナレーション:小泉今日子白鳥英美子
ムーミン野島健児高山みなみ
ムーミンママ:高島雅羅谷育子
ムーミンパパ:稲葉実大塚明夫
スノークのおじょうさん:永田亮子かないみか
ミイ:水田わさび佐久間レイ
スナフキン:白熊寛嗣/子安武人
ミムラねえさん:小宮山絵理/小林優子
スニフ:(登場なし)/中尾隆聖


 ぶっちゃけると、個人的には、高山みなみムーミンははまり役ではないと思っている。実力派の大好きな声優さんだけど、このムーミンは、個人的には、あっていない。どことなく、岸田今日子がちらついてしまって、ちょっと微妙だなと思っている。くわえて、大塚明夫のパパもイマイチだと思っている派。これははじめてみたときからの「なんかコレジャナイ」がずっとぬぐえぬままにきた。どちらも超大御所だが、当時はまだわかかったんだなあ。


 で、今回の2009年のをみてみたら、野島ムーミンはぼんやり自分の理想に近かった。こういう少年ぽさ、欲しかった。岸田ムーミンからちょっと離れられたのがいい。パパもママも好み。ただミィは致命的に惜しい。いまとなってはドラえもんだし…シニカルさに欠けるような。スナフキンはちょっと大人かな、と思ったが、なかなかはまっている。じつは子安スナフキンはイケボすぎる、綺麗すぎるというストレスがあったので(大好きな声優さんだけど)、スマートすぎない白熊スナフキン良かった。
 さてこの白熊というかなりかわった名字、どっかでみたな〜〜〜と思ってたら、そうじゃん、『スター・ウォーズ 反乱者たち』のケイナンだ!! ということは、ムーミンエズラで、スナフキンがケイナンだったのだ。なにそれ激萌える!! 化学反応あったんですかね!!(中の人の年齢は逆だった…すごい)


 90年代のがいまの若い世代に広くしられているとはいえ、09年にキャストを一新といいつつ、15年に戻しているのは、ダメである。それで17年は宮沢りえ森川智之朴璐美とか、迷走も甚だしい。ただ09年のナレーションにキョンキョンをもってきたのは、うまくないとかじゃなくて、キョンキョンキョンキョンだし、同じような理由で宮沢りえはそそられない。


 そもそも、ムーミンは固定の声とそこまで結びついてはいない。ぼんやりしているほうが、キャラクターとしては長生きできるし、管理している側もそこまで意識していないだろう。高山ムーミンファミリーは、みんな大御所になりすぎてしまったかも。世代毎に変化していくのが理想的。90年がオリジナルのキャストという言い方は、以前から「きにいらねーなー」と思っていたので、そこは強調したい。09年も素晴らしい。


 ただし、パペット・アニメーションのクオリティについては、ちょっとわからない。もともとパペットとか粘土アニメは好きなほうだと思っていたけど難易度高い。吹替でみると、原作のおもしろさ、良さをしみじみと体験できる。本当にムーミンのシリーズはおもしろい。つっこみどころ満載のキャラクターたちが楽しすぎるし、何気ないことばにはハッとさせられる。


 ムーミンのシリーズのなかでも、『彗星』と『夏まつり』は傑作だが、実は話は似ている。楽しくみるなら『夏まつり』がおすすめ。読むなら『彗星』が先で。



ムーミン パペット・アニメーション』1979年テレビシリーズ
2003年発売

1979年にポーランドで製作されたパペット・アニメーションのテレビシリーズを....(中略)..6章にわけ、週替わりで劇場公開。1章が6話で構成され、テレビシリーズ全36話を上映。日本公開にあたり、日本版アニメ第1作でムーミン役の声優を務めた女優の岸田今日子が、1人で全登場キャラクターの吹き替えを担当している。
http://eiga.com/l/u6o3

 そもそもの始まりがこれ??なのか。
 ぜんぶ岸田今日子ですとー??



『劇場版ムーミン パペット・アニメーション ムーミン谷の夏まつり』(公開:2009年8月)
Hulu配信中(2018/02/26)
2008年 フィンランド 87分(元は1979年 ポーランド

<日本語吹き替え>
ナレーション:小泉今日子
ムーミン野島健児
ムーミンパパ:稲葉実
ムーミンママ:高島雅羅
スノークのおじょうさん:永田亮子
ミイ:水田わさび
スナフキン:白熊寛嗣
ミムラねえさん:小宮山絵理

<スタッフ>
監督 マリア・リンドバーグ
製作 トム・カーペラン
原作 トーベ・ヤンソン
脚本 ミーナ・カーボネン、イーボ・バリック

1979年からポーランドで放送されたTV短編シリーズを、原作の「ムーミン谷の夏まつり」に相当する部分を中心に劇場版として再編集
http://www.wowow.co.jp/detail/021803


『劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション』(公開:2015年02月)
時間: 75 分(元は1979年 ポーランド

<日本語吹き替え>
ムーミントロール:高山みなみ
ムーミンママ:谷育子
ムーミンパパ:大塚明夫
スニフ:中尾隆聖
スナフキン:子安武人
ナーレーション:白鳥英美子<スタッフ>
原作:トーベ・ヤンソン(『ムーミン谷の彗星』)
監督:マリア・リンドバーグ
主題歌:ビョーク

トーベが自ら監修し、78年から82年にポーランドで製作されたTVシリーズを、カラー修正・再編集し、美しい長編映画としてよみがえらせた本作
http://moomin-suisei.com


おまけ情報


スター・ウォーズ 反乱者たち(2014年から)
Huluで配信中(2018/02/26)