Kindleをまぁまぁ使っている。そんなに熱心ではない。気になるけど巻数が多かったり紙で買うほどではない漫画や、SFを読むのには気分的にわりと相性がいいと気づき、一部使っている。
ライトなKindleユーザーが考える電子書籍が流行らない理由、それはとにもかくにも
- 読みにくい
のである。
紙の書籍はフォントや文字間隔、行間隔など、それなりに考えられている。Kindleは、英字フォントはそりゃ美しく感動的だが、日本語についてはそんな感動がかけらもない。
日本の出版社、日本のメーカーが、本気出して、日本語の文章が美しく読める電子書籍リーダーをだしてほしかった。ずっと期待していた。かつて優秀なワープロが多数あったように。
日本はもうそれができる体力がなかった。
Kindleは日本語に対して
「ほとんどなあんにも」
してくれない。
だから紙のほうが読みやすいから紙で読むのである。
その他の理由はいろいろ。
- 電子書籍の価格が高いから、それくらい扱いやすい紙の文庫本でいい、ということなる。
- 片方のページずつしょっちゅうページをめくるのが面倒臭い(これは英語でも同じだろうけど)
- 雨とかデバイスを気にするのが面倒臭い(紙は少々乱暴にあつかっても大丈夫)
- まだまだ重い。スマホとKindleを持ち歩くのが面倒臭い。
- スマホで読むには画面が小さいとか縦書きとか読みにくい。
- 技術書や図版が多いものなど、電子書籍ではほぼ読解不可能。
電子のメリットはもちろんある
- 場所をとらない。漫画の巻数が多いものは、容易に紙で買えないので。
- 辞書がついている。だからすこし昔の日本語のものを読むときにはとてもいい。青空文庫など古典を読むには適している。
「宮部みゆきとか、森博嗣とか、大量ベストセラーエンタメ小説作家の作品は、Kindleで新刊からだせばいいのに、なんでださないんすかね? 村上春樹も本人はKindleでいっぱいよんでるっていってるし(ただしほぼ英語だろうけどそりゃあ読みやすくて楽しいだろう)、紙の売り上げは増えないし減るばっかりなんだからKindleで6割ぐらいでだせばいいんだよ、そんで面白いと思ったひとは、紙を買い直したり、二冊目以降は紙で買ったりするから」
てなぐあいのモヤモヤが解消されない限り、電子書籍は中途半端街道を歩み続け、電子での日本語はずっと読みにくいままで、日本語そのものが弱っていくことだろう。
読みやすいかたちで楽しい日本語をひろめないと、日本語力はどんどん低下して、英語など外国語もできるわけがない。全体的な国力低下につながる。
明治時代みたいな世界に戻したい人たちには、いいかもしれないけどね。