茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

その作り置きレシピ、美味しい?

 最近作り置きのレシピが流行っている。ネットには各サイトがしのぎをけずり、本屋に日々新しい本が並ぶ。そのなかで売れていたり、続編がでている本もある。しかしちょっと待てそのレシピ、本当に美味しいですか? あるいは、あなたの好みの味ですか?
 好みの味にするなんか、自分でやればいいのよねぇ、という熟練者はこの先はお気になさらず。そんなあなたにはそもそもそんな本、要らないでしょう。


 どおもねぇ、さして美味しくない、レシピといえるほどでもないレシピが横行している気がするわけよ…。


 作り置きレシピの理想は、保存可能期間のあいだ、日が経っても美味しいどころか、できれば日が経つにつれて美味しくなるものである。せめて、日が浅いときぐらいは、美味しくなければ意味がない。そうでもないレシピ、たまにあるよねぇ? それ、作り置きにする意味あるのか? みたいな。


 普通のレシピより、作り置きのレシピやその実行にはいろいろ条件がある。保存がきくこと、適切な容器に保存すること、保存期間のあいだ出し入れの際の運用が適切であること。サイトによっては家電の取説のごとく、レシピ毎に注意事項を掲示しているところもある。でもあれこれあまり書きすぎていると、冷蔵庫の状態とか、台所の状態とか、気象条件とか、そもそも材料の質とか、食べる人の状態とか(乳幼児や胃腸の弱いひとなど)そういうものを、実際に作る人が経験して会得するようなことが、いつまでも省みられないかもしれない。いまのところはアメリカみたいにアホ裁判をする国じゃないからまだいいけど。


 少々の失敗は必要だということだ。まずは匂い。サザエさんでもやってた。臭って判断する。腐るほどでなくても何か変な気配がしたらアウト。また、色味がなんだか悪くなったらやめる。せっかく作っても捨てる勇気が必要だ。ジャッジは自分の野生の感。そして失敗したときは、レシピの提供者をせめるのではなく、環境や自分のオペレーションを省みる。そういう学習が必要。


 だが、それらとはまた違う場合。食べられるけど「美味しくない」味付けに遭遇することもある。そのときはそのレシピの人とは相性があわないから、スパッとあきらめよう。せっかく本を買ったし、などと言っていると、パッとしないおかずを食べ続ける羽目になる。作り置きは作ったときと食べるときのタイミングがずれるから、その違和感に気づきにくい。作ってすぐに食べるなら、「あぁ、あわなかったな」と軽く思えるのだけど。しかも作り置きだと多めに作る傾向があるし。勇気がいるよね…。


 書籍やサイトで上手にみせているところは多いけど、やはり「味」である。作り置きとして美味しいかどうか、自分が好きな味がどうか。自分でレシピを勝手にかえるよりも、まずはきっちり作って、あうあわないを判断したほうがいい。そうしないと魔改造レシピになってメシマズになるから。売っている本のレシピ、人気のあるサイトのレシピや、人気のあるレシピが、たとえどんだけ多数派だとしても、あなたにとって美味しいとは限らない。