茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

ニナガワさんは本当にどれだけえらかったのかもうわからない。

 蜷川幸雄シェイクスピア唐沢寿明勝村政信大竹しのぶマクベス)をむかしみたことがあるが、全然良さかがわからなかった。そもそも何をいっているのか全然わからなかった。テレビでやっていたハムレットも録画してみようとしたけど、字幕が欲しいくらい何を言っているかわからなかった。
 私はそれを鑑賞する前後に、いくつかシェイクスピアをみていた。高校の文化祭の演劇、RSCの来日公演(英語)、こどものためのシェイクスピア。高校のは十二夜。すごくおもしろくて文化祭の大賞のようなものもとって、アンコール公演も観に行った。RSCは、ジュリアス・シーザーと嵐。どちらももちろん英語だけど、エキサイティングだった。こどものためのはハムレットだ。わかりやすくてすごく楽しかったし、わかりやすくてもおもしろいことに感動した。そう、シェイクスピアは面白いのだ。
 日本の演劇において、「何をいっているか分からない」問題は根深い。テレビ放映される演劇はとくに、うまくききとれないものは珍しくない。収録技術の問題もあるのだろう。でも勝村政信さんの『ビリーバー』はすごくよかった。宝塚も最近はほとんどクリアである。
 で、ニナガワさんのシェイクスピアは、良いのか悪いのかもう謎のままになった。有名芸能人を舞台で「厳しい指導」で実力派にする演出家。まともな評価は難しい。でもイギリスでもある程度評価されているから、芸能界の人というばかりではないらしい。イメージだけど、野田秀樹の演劇も、なにいっているかわからない。サンシャインボーイズは、テレビでみた範囲では、とても聞き取りやすかった。
 ワイドショーを占拠するお葬式のニュースをみていると、つくづく芸能界での偉大さがわかる。芸能界での。報道すればするほど、芸能界でありがたがられていたんだなぁと思う。しかし彼に弔辞をささげた人たちはみな好きな俳優だ。残念ながら舞台をみた記憶はないけれど。ツイッターでも死を悼む発言は多数みたので、芸能界以外でもちゃんと評価されているのかもしれないが、もう永遠にわからない。
 これからは誰がニナガワさんの代わりになるんだろう? 有名芸能人が舞台で修行する際にはどの演出家になるのだろう? ひとつの時代が終わって、どこか正直ホッとしている。
 ニナガワさん演出で、有名人はでていなくていいし、シェイクスピアでなくてもいいから、台詞が聞き取りやすい映像があればいいなぁ。