茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

スキーバスの思い出

 高校2年生の終わりの冬、部活のなかでスキーに行こうという話がでた。部活は文化系だ。後輩の1年生たちがなぜかノリがよくて、そういう話になったらしい。上級生にも声をかけてきた。後輩たちはほとんど参加し、上級生は一部。行く人もいたし、行かない人もいた。自分は行かない人。

  • なんで文化系の部活なのにスキーやねん!
  • わしは南国育ちだから生まれてこの方スキーなんかしたことない。君たちは関東の人間だから少しはできるのかもしれないがな(でも本当に滑られるの??)
  • お金は? いくらかかるの? どっからでるの??
  • スキーバス?? 行きも返りも深夜バス? はあぁ?? そんなことついたら疲れてて何も出来ないよ。疲労困憊で初心者が雪山とか自殺行為じゃね??
  • だいたいなんでそもそも深夜バスとかあるの? 一晩中運転する人がいるの? 居眠りして事故ったりしないの??
  • もし事故ったら、部活の半分くらいの人数が、学校に届け出とか何もせずに、いっぱいけがしたり死んだり(!)したらどうするの?? そもそも届け出とかいらないの?? え???


 などなどネガティブ思考が炸裂して混乱して黙っていた。みんな無事に行って帰ってきたが、すごく疲れてみんなスキーは下手だったらしい。


 おもえば時代は、表向きにはバブル。どこか景気の良い感じがあったのかもしれない。高校生だけで10〜20人で遠出、など、いまもむかしも、世の中的にOKなのか、よくわからない…。携帯電話もない時代。
 深夜バスに対する偏見と恐怖は、世間知らずだったのもある。深夜バスという存在をそこで知ったぐらいだろう。いまでは、いろんな都合の人がいるから、運用体制がふつうならば安全に運行できる(のだろう)。
 今回の事故のニュースをはじめてきいたとき、雪道でスリップしたのだろう、と反射的に思った。だがあれこれわかってくると、典型的な人でなしの状況だった。なんでこうも同じことがくり返されるのかな。
 前途明るい学生たちと、運転手や2つの会社の大人たち。徐々に報道される内容がどこまで真実かはわからないが、闇と悲しみは深すぎる。社会からこういう会社は無くならない。あらゆる安すぎるものはリスクがある。そのリスクはとれるかどうか、吟味せよ。そういうふうに育てきたという親御さんもいるだろう思うと、なおも胸が痛む。