茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

田舎と東京の話のような

 親がでかいメーカーで、子供のころは田舎の企業城下町ですごした。いまちょっと悲しいことになっている工場があるところだ。新幹線はいまでもないところ。陸の孤島。車がなければ死ぬ。父親は免許はあったが、母親は意地でも免許をとらなかった。それはそれでど根性だ。のちに50前後で東京でとってた。どないやねん。
 高校まではそこに住んで、大学は九州か関西にいくとおもっていた。中三のときに転勤話がおきて、あわてて受験勉強をしはじめて、高校入学と同時に東京へきた。都内では4回引っ越したが、エリアは偏っている。
 高校のとき、同級生に「田舎はなんにもなくて、東京はなんでもいっぱいあるんだよ」という話をしたが、23区生まれの彼らはきょとんとするしかなかった。当然だ。「わからない」から。そりゃそうだ、わからないよな、わかりようがないよな、と思って、それ以降はそういう話はやめた。
 東京はなんでもあるが、それらすべてにリーチできるわけではない、というのは、いまはよくわかっている。街が違えば、買い物にいくことですら暗黙のマナーは多数存在する。変な格好ではいけない。住むとなったらなおさらである。それはやがてお金の問題だとわかった。コンサートも演劇もライブもたくさんあるが、安くはないし、まあまあ若い頃から知り合いに連れて行ってもらうとか、ようするにコネがなければいきにくいところはたくさんある。
 田舎に住んでいたのは子供のところなので、いわゆる田舎のしがらみなどなにひとつわかっていなかった。嫌な思いも、特に得をした記憶もない。親はどうか知らんけど。
 でもずっとそこに住むことはないなと思っていた。
 だってなんもないもん。喫茶店がなかったもん。
 だが東京に30年ぐらい(?!!)たっても、地理的になじみになれる喫茶店はない人生をおくっている。通学先も、通勤先にも、ニアミスばかり。あったのはマクドナルド、ドトール、エクセシオール、スタバ。ちがうちがう、そういうんじゃないの。りぼんで陸奥A子さんに憧れ……


 とまあ、理想と現実はさておいて。
 田舎も東京も、すまないとわからないし、住めば都、やっぱり地獄、それはわかんないから、びびると慣れたとこにずっと住んじゃうんだよな…。