茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

ネタバレ有り映画『屍人荘の殺人』を観た

shijinsou.jp

 映画『屍人荘の殺人』を観てきた。平日水曜日昼間。
 なぜこれをふらりと観に行ったかというと

 原作は店頭で並んでいた時期があって気になっていたので存在は知っていた。映画のポスターも観ないで、テレビでの宣伝だけで観にいった。主演が神木きゅんなのか中村倫也なのかどっちかわからずにいった。神木くんといまをときめく中村倫也に対して、ある程度の信頼があるからである。

 以下ネタばれあり。
 自分がもし、中村倫也氏のファンであり、それを主に目的でいったら、ふざけんなと怒ったかもしれない。しかしいま公式サイトをみたら、メインキャストの3人の1人なので、やはりクッソサギな広告であるかもしれない。中村倫也氏も仕事はえらばないタイプだろうし、なんでもどんとこいタイプであろう。実際、映画のなかのお仕事はすばらしいものだった。

  • 神木くんと中村倫也の、(若作り)バディもの


 これは少々ストーリーがくだらなくても、延々と観ていられるわ…と、感じていた。


 それがコレである。
 まあ、ワタシもおとななので、3人でプロモーションにでているとき、誰が主演かはっきりしないけど、まあいろいろ物語に関わるトリックとか仕掛けがあるんだろうなあ、とは思っていた。だからそれはかまわない。気持ちよくだまされにいくのも悪くはない。
 ミステリィがかかえるある種の限界に対する、工夫と解答のひとつだと思った。大変面白く楽しませていただいた。
 映画の98%は。


 最後のあれは、原作通りだとしたら、絶対読んではいけないリストに作者のお名前をいれておくしかない。映画のオリジナルだとしたら、これだけですべてをチャラにするダメさということを、監督は気付いているのだろうか、自覚しながらやっているなら苦しいだろうなと勝手に忖度。
 そう、忖度よ。重要な犯行の動機について語るときの、「もてあそばれた」って、なに? この、いまどき、こんだけいまどきいろんな事件がおきているときに、誰に対する忖度なの、そのことばの選び方。これもまたまさか原作通りなら、リスト入りは確実である。
 そしてもうひとつの、だいなしポイントは、最後に流れた主題歌。大人の事情でしかないPerfumeちゃん。これも映画の余韻もくそもない、チャラチャラにする勢いがすごかった。Perfumeは好きだ。楽曲もふつうだろう。だがこの映画にその主題歌の意味は、一ミリもない。


 全体的にいくつかの欠点はあれども概ね楽しませていただいたのに、さいごの本編にほぼほぼ関係無い蛇足なシーンと主題歌??で、ガクゥウウウッと☆は下がってしまった。まあ、5つ星のうちの☆みっつぐらいはありますけど。あれがなかったら4つ星だったわ。


 神木隆之介が主演の映画に、おおきなハズレはないと勝手に思っている(そんなにちゃんと観てないけど)。だからラストは記憶から消してあげてもかまわないです。


 神木くんと中村倫也の謎解きもの、連ドラで別の企画でやりましょう。ふつうに神木くんが謎解きしてかまわないし、倫也さんはエキセントリックな怪しい先輩でいいです。設定はアラサーにしましょうや。倫也さんが概ね役に立たないがしかし何かわかってそうな雰囲気もある探偵で、神木くんがおてつだいで概ね謎をとくが、聡明なライバル女子キャラに美味しいところはもっていかれる、って具合でどうでしょうか。趣味に走りすぎ。素人の妄想ヲツ!!


 という感想がでてしまうのは、2人が芝居がうますぎてその短すぎる時間のバディが素晴らしかったからだ。大スクリーンで聴く倫也氏の低音美声、最高の最高の最高であった。
 自分はこの作者とはものすごくあわないなと思った。工夫は素晴らしいと思うし、じゅうぶん笑えた。でもこういうタイプの美少女メインの謎解きは、そんなものワシがあえて読む必要があるわけがない。次回作が映画化されても、よほどの配役でなければ観に行かないし、この作者の作品はやっぱり読まないだろう。現代の日本の男の人が描く聡明な美少女の限界を垣間見た。そうえば、このミス関連は過去にも大ハズレだったし。
 まったく個人的な趣味である。
 女優さんも好演だった。ちゃんとしていた。たくさんしゃべっていた。美少女全開でさまになっていた。主人公が見とれるのもわかる。でもいまどきのありふれた美少女であり、顔の判別はつかないし、演技とくに印象に残らない。厳しい。まあ神木きゅんより目立ってはいけないから、しょうがないのかもしれない。主演だともっと生きてくるのかもしれない。名前の読み方はまだ把握していない。


 映像について。チラチラ動きすぎるところがあって、映画館で観ることをあまり想定していないのかな、と思った。かなり予算潤沢なテレビドラマは少し超えているけど、映画かどうかといわれるとよくわからない。