茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

キムタクのうまさ

 キムタクの新しいドラマの第1話をやっと見おえた。設定からしてキムタク山盛り増し増しで、そこに日曜劇場のテンション高めのシーン連打で、みていてふつうに疲れる。鈴木京香さん仕事しすぎじゃない??

 キムタクのドラマで面白かったのは、あのアンドロイドのやつですよ。あれは良かった。

 キムタクのドラマのたびに、キムタクは芝居ができるのかどうか、うまいかどうかというのが話題になるけど、ハウルは大好きなので、本当はうまいひとなんだろう。でも彼は役者である前にアイドルでありキムタクなのだ。キムタクはアイドルなのである。だからどんな役も、基本はキムタクが演じる役でなければならない。そうでなくてはならないようだし、だからこそ価値があるらしい。自分がアンドロイドやハウルがいいなと思うのは、ロボットだとかアニメのキャラクターだとか、一枚フィルタを通して、あるいは別のフィルタ越しにその仕事をみることができるからかもしれない。

 今回の主人公は、キムタクキムタクキムタク、どこから切っても完璧にキムタクのようなキャラクター造形で、なかなか個人的好みな側面はないかと思っていた。なにせ本人が料理もうまいし。しかし、一瞬、この人は演技がうまいのでは、と思うシーンがあった。

 手長エビのナントカを作るために、ビストロに厨房を借りようとするシーン。フランス語で、軽く話しかけるような瞬間が、それだった。

 なにせ三年前の冒頭のシーンは、テンションアゲアゲでフランス語もフランス語なんだかよくわからない。ああいうシーンはそれでいいのだが。あそこらにくらべると、パリを舞台にした寓話的進行のなかでも、ビストロのシーンは、なんとなく自然に見えた。

 キムタクのフランス語のうまさがわかるわけじゃないし、ストーリーや設定上流暢である必要もない。その瞬間には姿をみせていないビストロの主人、ビストロの厨房の奥に向かって話しかけるところが、むろんその先に起こるミラクルへの静かな期待もあって、なんだかいいな、と思った。

 次に来るシーンや展開が予想できるからこそ、日曜劇場は人気があるのだろう。少しずつの予感と期待が裏切られずに情感たっぷり山盛りででてきたら、そりゃお腹いっぱいにな?。だがそのシーンは、のちのちのシーンに比べれば、ちょっと静かなエンジンスタートだ。その直後華麗なる手さばきと情熱的なエビ料理のシーンになるけど、小規模である。

 そのシーンはキムタクの顔も見えていたかわからない。背中とか動き出す体だったかもしれない。全体でなんかよかった。

 

 

 他方、沢村一輝演じるなんとかさんがだまされて?家に来て思い出の料理を食べて怒る下り。沢村さんの熱演素晴らしいのに、カメラワークがもったいなかった。大事なシーンなのに、三人の顔を同じようなショットで順番にとってるだけ?? テレビドラマをみていていつも思うけど、うまいひとほど、顔だけや台詞だけの芝居をしてるわけじゃない。全身を取れ、場を写し込め!!

 

 ドラマ全体はとても丁寧でお金がかかってるのがよくわかる、練られているドラマだ。それでもストーリー以外のところで、いろいろストレスやツッコミどころが多い。レベルが上がればスルーできていたものがきになるということもある。撮影はどんどん進んでいるだろうから、これから何度そんな微妙なシーンが出てくるのかなとげんなりするけど。

 しかし。キムタクは基本アウトローであり、そのフォーマット的にもキャラクターや物語的にも、週刊少年ジャンプ、高速展開のワンピースのようななかでも、逸脱する顔や動きや声をみせる。だからキムタクのドラマじゃんといいつつキムタクのドラマを見てしまうのかもしれないし、逸脱がおきるためには、丁寧でベタな下地は必要なのかもしれない。