本を、物語や小説を、読んでいるときや、読み終わったあとに、泣いたことがない。漫画で涙することは頻繁で、映画や音楽ではちょいちょいあるが、本はない。
これは、
「えー! そんなバカな!!」
な話なのか、
「いや、本じゃ泣かないよ、文章を読んでるんでしょ、泣くわけないじゃん」
なのか?
もちろん、読んでいて、読み終わって、猛烈にじたばたする気分になっている、テンション上がるような、興奮する作品は多々ある。
でも、涙で視界がにじむようなことはない。二都物語とか、
『きゃーーあーー!!』
と叫びたい気分だったけど、泣きはしなかった。
泣ける小説、などの宣伝文句がついてると、読まない。そういうのはついてなくても、心がゆれうごいて泣ける小説、きっとあるはずだ、と思ってる。それとも、文字で書かれた文章を読む、という、ある意味冷静さを要求される行為を行ってる時点で、同時には成立しないのだろうか。