茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

神谷浩史さんの番組をみた

 良い意味で普通の人。素質はあるけど、天才ではないのだ。だから「代わりがいる」という感覚がわかる。中堅のエースと紹介されていたが、中堅の人たちはそうだ。似た声、似た演技をする人がいっぱいいる。浩史さんの場合、ややこしいのは、後輩にもたくさん真似もされている。(真似もされているといえば、石田彰さんのコピーが多すぎると思うことは多いけど、このふたりを混ぜたけどコレジャナイみたいなのがホントにおおくて。)もしかして、あとからの世代のほうが使い勝手がよいと、予算がちょっとたりないときは、そちらを使ってしまおうということになるかもしれない。長い目でみてそれは損失だけれども。

 神谷さんといえば明だよな世代で、最近の声優さんを気にし始めた頃、やたらと名前をみかける「神谷」お前は何者だという感じで、話いまでもそういう感覚はあるけれど(ぬぐい切れないのは世代的にしょうがない)、そういう偏見が、この番組でやや緩和された。
 収録で、演技がハマった瞬間に浩史さんが消えてしまう感じがいい。

 声優というのは席が少ないから、仕事をつかむというだけで、高度な職人、プロフェッショナルだ。だが個人的には、声優はあくまでも、俳優のなかで、とくにその方面に関して優れたスキルをもつという定義であってほしい。なぜ人前に立つんだといっていたが、役者がステージに立って何をためらうのか。だが同時に、頑なさ、細部の最後の瞬間までのこだわりが、この人の流儀なのかなーという感じもある。

 浩史さんの演じた役は、好きと嫌いがある。好きなキャラもあれば、これは勘弁というキャラもいる。番組をみて、そういう反応も、正しいのではないかと思った。作品の完全な完璧な美しい歯車になっている。