茶ぶろぐ

40代のライフスタイル@TOKYOブログ

村上春樹『騎士団長殺し』第一部をやっと読んだ

「久々に面白かった。読んだほうがいいよ」とハルキストという言葉を歯牙にもかけない真の意味でのハルキストではなかろうかと思われる愛読者の家人がいうので、ハードカバーで字は大きいけど分厚くて長くて、最初はとても大変で、これはとても読みきれると思えないと大げさにおののいていたが、途中からまあまあのれるようになって、最後までいったけど、まだ第一部。いままででつい最近やっとよんだ『風の歌を聴け』についでまともに読んでいる一作であるが、ちなみにこの作品については、基本的に青春小説なのでアラフォー後半の女が読んでも、昔の青春小説を読むという点では面白いけれど共感できるところは限りなく少ないと感じてしまったのはまあしょうがなくて、何がそんなにすごかったのかは、当時の人でもないし、文学部で学んでもいないし読書家でもないのでちゃんとはわからないが、もう少し若い時に読みたかったなとか、村上春樹作品との出会いが中二と次がアラフォーだったのはちょっと不運だったなとは思ったりした。


 森博嗣アガサ・クリスティの小説と同じで、村上春樹の作品も読んでいるときが楽しいかどうかであって、読み終わったあとに知識は得ても、さわやかな余韻や深く考えさせられるとかを期待したり、教訓が得られると思ってはいけない。(森博嗣は作者がそういってるしアガサクリスティについてはまぁあれやこれや)では読んでいるときに楽しいかというと、楽しいところもあれば「クソか…?」という頻度が多いところは否めないが、それは文章に対するストレスではなく登場人物の行動などに対してであり、しかもその行動は、低迷している怠惰なテレビドラマで使用されるような絶望的に稚拙でペッラペラでご都合主義的キャラクターの行動や言動ではなく、実際にかぎりなくいそうでリアルで生々しくて気持ち悪いしかし絶対にいない人物である(絶対にいない、については偏見)ので、そこをスルーできるようになった、だいぶ大人になったことを実感する。そもそも行為を批判して読めないのでは、ほとんどの推理小説が読めないからナー。


 いまのところ○○○○がかわいいのと、○○さんの豪邸がゴージャスなの許す、という塩梅で読んでいるけど、許さない要素が増えたら、読んでいて楽しい部分を「気持ち悪い」が上回り続けたら、読むのをあきらめちゃうんだろう。○○○の描き方が、ああもうあいかわらずハルキだよイライラ! でちょっとあやしいので、そろそろかわいいものがでてきてほしい。いいかげんに、自分がちょっと気持ち悪い(いいものとわるいものがある)と思ったことをぐっとこらえて読んでこそ、人の成長があるような気はするんですけどね。


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