茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

ある小説を読んでいたらある映画のネタバレがあった。

 ある小説を読んでいたら、あるわりと有名な映画のネタバレがあった。


 ぐああああんんん


 と鈍い衝撃を受けた。その映画は有名な監督の作品で、まあまあ有名で評価もまあまあ高いので、いつかは観ようと思っていた。ちょっとヘビーなテーマだから、気力が充実しているときに観たいと思っていた。のんきに本を読んでいたら、ネタバレがするっとでてきた。登場人物が、その映画を観てこうこういうところがホニャラカだった、みたいなかんじでトゥルっと書いていた。


 小説には、実際の固有名詞をだすものと、ださないものがある。音楽とか、小説とか、映画とか、地名とか。小説をきっかけに、その音楽を聴いたり、読んだり、観たり、足を運んだり。小説を読んで、という動機の出会いは、ちょっとなんだかかっこいいし、ステキなイメージがある。主人公が好きだったり、逆にけなしていたり、ただそこが舞台だったり、なんでもいいのだけど、小説における実在する固有名詞のパワーは小さくない。
 だがその小説には、映画のかなり肝心なネタバレがすぱーんとつるっと書いてあった。そんなことはじめてさ。


 もしミステリィ小説などで、ストーリーを進める上でどうしても重要な要素なら、「〜〜に関する記述があります」とか、最初に断り書きがあるかもしれない。ありそうだ。
 だが、「純文学」でそういう断り書きはなさそうだ。だって「純文学」だもの。そんなのがある「純文学」ってなくない? ダサくない? いや、ちくしょう、「純文学」ってなんだ。なんだよ。なんなんだおまえ。


 その小説は、「文体は好きだけど話はおもしろくないなー」という状態で読みすすめていたのだが、映画のネタバレがでてきて「他人には勧められない」本にはなった。けなすかどうかは、まだ最後まで読んでいないから、たぶん、いまさらけなしはしないけど。


 自分の純文学のもっとも現代的なイメージは、北杜夫遠藤周作だ。古すぎる。古いとは思う。でも現代の作家は、やっぱり基本ダメかも知れない。という認識を新たにした。



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