『スター・トレック BEYOND』がめちゃくちゃ面白かった。土曜日にIMAXで観て、水曜日に2Dで観た。2009年からのシリーズ三作目、個人的には一番面白くて一番大好きだ。ぶっちぎりで完成度が高いというわけではない。ともかく好きだ。JJ監督が再度世に送り出し二作目まで監督して、3作目はジャスティン・リン監督に交代。主人公たちの成長と変化のタイミングとちょうどマッチしたようだ。imdbやロッテン・トマトでみても高評価。
シリーズものだが話は独立している。ただし、スター・トレックは最初の最初はテレビシリーズ(1966年)なので、ちょっと知っておいたほうがよいことはある。というわけで、全然知らぬというあなたへ、初心者による初心者のためのスタトレ紹介。
「スター・トレックは、宇宙船が広大な宇宙を探索する、冒険する話。」
もう少し付け加えると、
- 宇宙船の名前は、エンタープライズ号
- 船長の名前は、カーク。キャプテンというには若くてイケメン。金髪碧眼のいまどきハリウッドでも貴重な王道すぎる美形。
その他、観ていると気になってくる用語。
- 宇宙船エンタープライズ号は、「惑星連邦」の「宇宙艦隊」という組織の船。宇宙艦隊は治安維持や紛争解決にあたる。また、惑星連邦の外側との外交も担う。
- 地球は、惑星があつまってできた惑星連邦の一員。いろんな人種どころでなく、多種多様な惑星とそこに住む人たちがいる。
- 宇宙艦隊は、武装もしているが、軍隊ではない。よってカークも船員たちも軍人ではない。
- 惑星連邦に加盟していない、ほかの惑星やそこの住人もいる。
スター・トレックはテレビドラマと映画をあわせると、作品数が多すぎるので、予習などまったく考えなくて良いです。むしろそれは危険。
では、以下今回のびよんどのネタバレである!。観てない人は見ないでね。
- ボーンズがめちゃくちゃ活躍する! っていうかこれこそ本来の姿でしょう! カークとスポックと医者でわちゃわちゃしなければ。特に最後の最後なんて、もうボーンズがさむずあっぷするナウシカにみえた。カークをつかまえて引きずり混んだのはスポック。
- スコッティとジェイラちゃんのやりとりが猛烈にかわいい。ジェイラたん、あんなにかっこええキレキレの外見なのに、かわいい。めちゃくちゃかわいい。かわいいコンビ!!
- カークとチェコフの組み合わせ美しすぎてめまい。森のシーンも美しくて泣けるまじ泣けるめちゃくちゃ泣ける。いつから気付いていたんですかのシーンとかすごくいいので泣ける泣ける(T△T)ヴァーン!!!
- スールーなにげなく美味しい。地味に美味しいところつまんでもっていきました。重要なシーンが多いし。良い声だ。ずるい。
- ウフーラが何故かはじめてかわいく見えた。どちらかというとクールビューティでかっこいい系だった。(gotgのガモーラはかわいい)今回はちらちらかわいくて良かった。ちゃんと強かったし。スポック助けるし!
- バイクのシーンめっちゃ楽しかった。面白いしテンションあがった。カークがぶいぶいしているなかでジェイラたんのアクションシーン燃えた。いいよーかっこいいよー
- ヨークタウンを爆走するUSSフランクリンかっこいいーおー! STIDも街中の空中戦が最後似てるだけど、今回のほうが好きかなー。
- ヨークタウンは冒頭でその美しさをみせつけてくれるのだが、最後の対決シーンが美しくせつない。街の美しさが際立ち、ふわりと無重力シーンでの対決がすごくいい。そしてそこからのボーンズとスポックの狙い定めてじゃじゃーんと登場とか、超大好き。
まだまだあれもこれもあれもこれもあるけれど。
全体を通して、
- 美しくかわいくかっこよく
- ぐるぐるまわるまるいものがいっぱい
- そしてせつない
スポック大使の追悼や、アントン(T△T)のこともあったけど、「平和になってからも乗り越えて行かなければならないものがある」と自分は感じた。戦争がある時代に生まれ平和な時代になってから棄民となった存在と、平和な時代に生まれて戦争しない存在。
自分はときどき、平和ボケしすぎて、地球上にある戦争について、無頓着すぎるのではないかと思うことがあった。SHERLOCKをみて、イギリスは戦争が決して非日常ではないということがだんだんわかってから特に。だが、ある意味、それでかまわないのだ。自分はそういう国のそういう時代に生まれていままで生きてこられた。海外では戦争がある。泥沼化しているところもある。だからといって、戦争をする方向に積極的に巻き込まれていくことはない。戦争がない時代に生きた人間しかわからない感覚、どんな争いでも、「なにいってんの戦争なんかしないよ、するわけないじゃん」という、選択肢に最初から戦争をいれない感覚。これは大切にしてかまわないのだ。(だから非武装というわけではなくそれらの話はまた別で)
もし世界から戦争がなくなっても、「平和に暮らしました」では終わらない。多様性がある。生きていくということは、不確定要素がおきる。どんなに科学技術が進歩しても、自然や宇宙を制御できるわけではない。平和になっても、のりこえていかなければならないことはたくさんあるから、生ぬるい日々を過ごすわけではないのだ。戦争はなくても問題と解決はなくならない。
人類はいろんな未来を夢見て、確実に実現してきた。進む方向を定めるには、夢や理想を掲げることはだいじだ。戦争があって当然と考えていたら、そこから抜け出すことはできない。戦争がない世界がある、いさかいを解決するための手段から戦争を捨てた世界がある。そういう世界を考えて目指す。それは均質的なつまらない平坦なトラブルが何もない世界というわけではない。多様性を保つために、多少言い合いながらも知恵を出し合い解決していく世界だ。人類はいつか必ずそういう世界にたどりつく。そして宇宙に羽ばたいていく(必然資源が枯渇するから…?)。
だからもっと日本人が観ても不思議じゃない映画なんだけどな??!!
アメリカはいろいろ不穏だけど、こういう映画がちゃんとヒットするのは、まだまだ大丈夫なんではないかな。
自宅で観て、「なぜこれを劇場でみなかったー?!! 2009年の自分何をしていたーー??!!」と喜び驚き怒り呆れた一作。
ベネディクト・カンバーバッチ登場の二作目。なんだか売れてるね?? 一作目と併せてどうぞー