腐女子であるからといって、恋愛や結婚について、何か特別な違いはない。
アラフォーなので、腐女子という言葉は存在しないころに、キャプテン翼や聖闘士星矢にきゃーきゃーどきどきしていた。むかしのことだし、田舎暮らしだったので、同人誌を買う機会もすごく少なくて、「どきどき」の部分はいわゆる「やおい」ぐらいで、なんかそれっぽいね、ぐらいのものがほとんどだった。(本当に山も落ちも意味もなくて、キャラクター同士がちょっと会話するくらい。それはそれで風情があるけど、二次創作が発達してしまったいまでは、よほど絵がうまくないと受け入れられないだろうな…)
腐女子という言葉に出会った頃の、イメージはこうだった。
- 漫画やアニメが好きでキャラクター同士をいちゃいちゃさせている。
- ファッションにうとい。外見をあまり気にしない。
- コミュニケーションが下手。
- もちろんモテるわけがない。
※実写というジャンルは知らなかった。商業BLを好む人と、腐女子が一致するのかいまでもよく分からない。
ところが、実際はぜんぜんそうではなかった。バリッとオシャレで化粧もきれいな女子のオタクが世の中には存在していた。いまだに信じられないけど、いるんだよ、そういう人が。コミュニケーションも平気で、オフ会とかできちゃう。同じものが好きなひとと、延々と語り合うことができる。モテるかどうかはわからないけど、恋人がいる人、結婚する人、既婚者も多いし、子育てする人、終わった人もいる。
腐女子なんてのは、かなりいいかげんな大ざっぱな言葉で、差すものは非常に適当なのだ。
しかし、どうもローティーンの頃からそういった言葉に触れてきてしまった人たちは、ちょっと違うらしい。自分の属性を表す言葉があるとそこに親しみをもちやがて帰属できたという妙な安堵と、所属した故のかくあるべしの枷に囚われて苦しみ。そういうものに挟まれてぐるぐる揺れ動く。
そもそも好きな対象だって、どんどん変わりゆく。ティーンから二十歳前後というのはそういうものだが。自分が好きなものが変わりゆくことが自然な快楽であり同時に微妙な哀切を感じつつ、変わらなかった場合は変わってしまった周囲に対して怨念をもつ。
それって普通の思春期や。
なので、腐女子だろうがなんだろうか、別に関係ないんす。99.999999%の人はモテないし、恋愛や結婚はめげず希望をすてず願うことで傷ついたり泣いたりへこんだり成就したりまた山を超え谷を越え。
思春期や青春の葛藤は、ネットおじさんおばさんの大好物だ。鬱屈をはきだすことは、彼らへの燃料供給となる。それでも吐き出したいひとは吐き出すとよいけれど、その場合は匿名日記とか、匿名がいいと思う。しかしばれる確率は結構あるので、完全に匿名なんて無理なので、それは覚悟の上で。
できれば誰かに愚痴るのがよいけれど、相手を間違うとトラブルにもなるもんね。
王様の耳はロバの耳、に親近感がわいてくる。