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脊髄反射でオブラート

chaoruko@HatenaBlog

又吉直樹『夜を乗り越える』で読む

夜を乗り越える(小学館よしもと新書)
又吉 直樹
小学館
売り上げランキング: 78

 又吉さんの新刊。本屋にいったら、「でたで」と並んでいたので購入した。「小学館よしもと新書」とはいったいなにものだとあやしみつつ。新書とは何だろう。私のなかにある、曖昧な定義からは、少し離れた雰囲気ではある。エッセイとも新書とも言えないような。真摯に熱く、もちろん笑いも入りつつ、本や小説について語られている。だが著者が、すでに身につけてしまった言葉の分厚さ故に、届けた層には、届かないかもしれない危惧もある。著者と同世代の30代から40代の、読書から多少遠ざかっていたが、文学もエンタメも多少は読んでいた、という人々に、届くかも知れない。

 むかしはわりと、本が売れていて、わりと読んでいた時代があったんす。よ。

 本の中では、小説や作家を紹介もしている。太宰治は短編がいくつかあがっているので探して読んでみた。合うのと合わないのがある。太宰はやっぱりわからない率が高い。文章は大好きなのだが。『駈込み訴え』は面白かった。

●直接読めるリンク
駈込み訴え(青空文庫)

●そのKindle

駈込み訴え
駈込み訴え
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(2012-09-27)


 読書は個人的な体験だ。どれだけ売れたベストセラーでも、親しい友人がすすめてくれた本でも、いまのあなたに合うかどうかはわからない。だからこそ、いろいろ手を伸ばしてみる。失恋やハズレにおびえることはない、ケチるこたぁない。自分が読んで面白くて他人がそうじゃなくても、その逆でも気にすることはない。つぎつぎと手をのばせばいい。新刊は買えないなら、やすい古典でいい。芥川龍之介や、太宰治近代文学ならば書店の文庫本もやすいし、薄いものも多いし、お金がないなら、古本屋や青空文庫でもかまわない。


 書を捨て街にでて、ネットワークとスマホを持って世界は美しく近づいた。しかし、自身の内面への冒険をもっとも手助けするのは、小説である。だから読みにいこう。