茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

老人はなぜバスが停車する前に立ち上がるのか

 最近バスにのる機会が増えた。昼間バスに乗ると、高齢者がたくさん乗っている。彼らはゆっくりバスに乗る。降りるときは早めに立つ。よろめきながら立ちあがる。運転手さんのなかには、キレ気味に「停車してから立ってください」とアナウンスをくり返す人もいる。
 足腰悪そうなのに、空いている席が目の前にあるのに、座らない高齢者もいる。運転手さんのなかには、「お座りください」とキレ気味にアナウンスを繰り返し、一触即発の雰囲気になることもある。
 加えて老人は、バスを降りたらそこで立ち止まる。あるいは、すぐそこに横断歩道があっても、車道を斜め横断する。


 私はアラフォーだが、よたよたふらふらなので、スーパー帰りなどはとくに、バスが完全に止まってから立ち上がる。ババァのようにヨロヨロと身長に歩を進める。いや、ばあさんは早めにたちあがるので、「ババァのように」という比喩は間違っているネ。
 高齢者は、せっかちで、身体はついていかない。子どもと似ている。老いるとは子どもに戻ることである。総合的論理的な思考力はさておき、瞬間的な判断力や運動能力は間違いなく未熟に戻る。たいていのひとは、その自覚がない。


 年寄りだから自覚がないのではなく、多分若い時から無頓着なのだ。ケガをしている人、具合が悪い人、妊娠をしている人とか、もっと身体が動きにくくなっているより高齢の人など、様々な状態の人に対する想像力が乏しいまま、人生を生きてきたのだ。自分が病気やケガになった経験も少なかったり、あっても忘れていたり、あってもその状態のときに嫌な目にあったのかもしれない。


 自分はどんな年寄りになるのだろう。なれるのだろう。さくさく動こうとする年寄りをみるたびにぼんやり思う。