読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

脊髄反射でオブラート

chaoruko@HatenaBlog

『HERO』は水戸黄門か寅さんに

http://www.hero-movie.com
映画『HERO』観てきた。

  • 漠然と予想していたよりもおもしろかった
  • 前作の映画より良かった
  • 120分に要素をつめこんだせいか、イラッとするタメがほとんどなかった

以下ネタばれあり。
 前作の映画は個人的に低評価なので、ハードルをすごくさげていった。だからというわけではなく、そこそこおもしろかった。そこそこというのは、やはり「映画」にはなっていないからだ。テレビドラマのちょっと豪華版くらい。『相棒』の映画と似たようなもんだ。


 キムタク主演といいつつ、松たか子の出番がめちゃくちゃ多くて、事実上ダブル主演だった。妊娠中の撮影だったようだが、ずっとかわいくないコート着っぱなしでそこはちょっと。病院のなかなんてくっそ暑いので、あんなの着てるのはおかしいっすよ。

印象的なことなど

  • 冒頭の久利生公平の部屋。起きて出かけるまで、だけど、起きてお布団をばふばふして斜めにするのが良かった。
  • 病室。唯一の、久利生と雨宮のある意味ラブシーンであり、かつ事件に対する決意表明の場面でもある。横たわったまましゃべるキムタクがいい感じ。二人の想いが通じ合うのは、そのシーンの冒頭の、化粧が浮いてんじゃねーの的会話の一往復。これは良かった。
  • 正名僕蔵さんと吉田羊さんの尾行もどきのシーンが、たまらなくおもしろかった。
  • 宇野っち(濱田岳くん)がかわいくて細めがせくしーだった。これは何度かあった
  • 佐藤浩市がはじめてあぁ普通に演技できる人なんだなぁ、と思った。重すぎない芝居がいいんじゃないだろうか。


 あえていいたい残念だったこともいくつかある。映画の半分以上で、キムタクの顔面コンディションの具合があまりよくなかった。北川景子はドラマのときとメイクがかわってかわいくなっているし、松たか子は妊娠中のせいもあるのかとてもかわいくて愛らしく、絶好調な顔面にはさまれていると、キムタクだけの疲れや老いが目立ってしまった。後半は持ち直したのかな。
 ペタンクはおもしろいけど、2回も惑星みたいな映像がでてきたのはがっかりだった。1回ならおもしろいのに。ダサい。
 アンジャッシュ児島さんが良かったけど、あきらかに他の人物たちとのからみがない演出が、ちょっとケチ。最後のシーンは雨宮と直接話をさせるべきでしょう、映画なのに。


 驚きと同時にちょい残念だったのは、久利生の説教長台詞がなかったこと。真正面からカメラ目線のキムタクに延々しゃべらせるやつ。テレビドラマではほぼ毎回あったような。映画では最後のほうに少しあるけど、説教ではない。代わりが、病室やあの松葉に対する説得シーンであるのかもしれないが、後者はチームプレーであった。


 あのシーンをあんな国際会議室みたいな場所でするところは、フジテレビのダサさダメさの極み。


『HERO』の人気のひとつは、見終わったの爽快感だ。単純に白黒がついたり、勧善懲悪なわけではないが「正義は行われる」ことと、随所にはさまれる笑い。


 笑いのキーになるのは、八島智人と小日向文世だ。今回は彼らの出番は少なかったが、仕事はきっちりはたしていた。同じギャグをやるというHERO独特のクドさも。そこへ若手演技派の濱田岳はテレビシリーズから引き続きかわいらしくきっちりのっかり、前作からの出世した正名僕蔵と、S2からの参加である吉田羊が、良いあんばいに、基本はひかえめ、しかし自分らのシーンではがつんとやってくれる。その他のベテランの使い方の贅沢加減といったらもう言うまでもないが。


 S2とこの映画で、HEROのパターンは、きっちり受け継ぐことが可能だと認識された。ある程度スキルがある役者さんならやれそう。数人代えてもなんとかなる。

 
 そして久利生と雨宮の恋の行方は曖昧なまま、麻木は妹ポジション確定、事務次官はわからないけど検事は転勤を避けられぬ流れ者。さすらう正義の味方でイケメンだがなぜか自分の恋は苦手、チームプレーはばっちりで様式化された様々なツーカーの笑いと言えば、水戸黄門に寅さんじゃないか?。そうだ、キムタクももう良い年なのだ。そもそも刑事ドラマと同じで、エンドレスにやろうと思えばやれる設定だったのだ。


 今回の映画では、久利生と雨宮の関係は一応いったん決着がつけられた。実はハッピーエンドになってしまえば、物語の世界は終わってしまう。続けるには曖昧なまま関係のままでいるしかないのでそれでいい。一種のクリフハンガー
 しかし視聴者(観客)は、久利生と雨宮の恋の行方より、事件に対する久利生や職場の同僚たちの動きをみて、スカッとしている。今回の映画は、キムタクの影が薄くなるわけではなく、チームものとしての色が強くなった。雨宮の難波支部でのチームワークもしめされていた。これは続編を作るなら良い傾向だ。メンバー多少チェンジ可能な、チームもの。メンツや時間が固定されないところは、水戸黄門や寅さんとは違うが、どうせ実写は役者は年をとるのだから、本人にあわせてかえていくほうが良い。

 キムタクがずっと若いままでも、久利生公平が少し年をとっていったら、すごくおもしろいんだけど、日本の映画やドラマではそんなことないんだろうなぁ。