茶ぶろぐ

おとなのライフスタイル@TOKYOブログ

怪盗グルーの吹き替えが驚愕のクオリティだった

 鶴瓶さんはすごい。あの底知れぬ人見知りしないコミュニケーション力と話術、0.00001gでいいからわけてほしい。役者としては、ちゃんと作品をみたことがないのでわからない。
 鶴瓶さんが鶴瓶さんとしてしゃべっているときは、むしろ面白い番組だろうなという期待がわく。だが、地上波でグルーをチラ見したとき、あまりにひどかったので速攻チャンネルをかえた。
 あらためてグルーを観る。
 周囲がベテランの、博士もベクターも銀行のこわいおんちゃんも、超絶うまい人でかためられているから、まさに一人だけういている。他のキャラクターは、アニメのキャラクターがしゃべっているようにみえるのに、グルーだけ、例えばバラエティ番組でワイプから声をかぶせたようになっている。
 悲しいほどに滑稽だ。
 グルーの吹き替えが難易度が高いのは分かる。どこともつかない変な英語をしゃべるキャラクターなのだ。
 ではなぜ、笑福亭鶴瓶に、関西弁をしゃべらせて、それを無理矢理演じさせたのか。変な方言しゃべるから関西弁にした、という判断の良し悪しはあえておいておこう。関西人が関西弁じゃ、意味ねえだろゴルァ。鶴瓶さんが、関西人なのにエセ東京弁をしゃべるとか、エセ博多弁しゃべるとか、そういう不自然なことをやらなければならないはずだ。
 そしてグルーは40歳ぐらいである。鶴瓶さんは若々しいけど、そういう若さはない。そんなおっちゃんではない。鶴瓶さん40歳の芝居をできるならよいが、そうじゃない。
 鶴瓶さんは鶴瓶さんならば、たいていおもしろい。しかし、怪盗グルーの吹き替えは、だめだった。
 グルーの声がなめらかでもハスキーでもかまわない。一人だけういているのはひどかった。鶴瓶さんありきのキャスティングなら、他のキャラクターも全部、声優経験がほとんどない人にさせるべきだった。
 いまからでもグルーの声だけすげ替えて新録音がでたらなぁ、と思うくらい。つぎの映画はミニオンたちが主役で、グルーの若き日が描かれるなら、それを理由にしてキャストを変更して欲しい。

 いわゆる俳優やタレントなど、声優でない、声優経験が乏しいひとが、アニメのお仕事や海外映画の吹き替えをすることに、そこまで拒絶反応を示さずにきた。わりと珍しく寛容だった。出来上がりをみてから、評価すべきだと思っている。
 だが今回は、なんだこの吹き替えはぁああああ…!、と地獄の底から思った。鶴瓶さんは好きだけど、グルーはだめだ、どうしてどういうつもりでこの仕事を引き受けたのか、本当に納得できた仕事なのか、本人に会ったら問いただしちゃうかもしれない。