茶ぶろぐ

40代のライフスタイル@TOKYOブログ

変装するばいきんまんのかわいさは異常

アンパンマン』の永遠のライバル、ばいきんまんは、ときおり変装をして他人のふりをして誰かをだまして、ひと(?)をアンパンマンを敵認定へと教唆したり、他人(?)の生産物の略奪を画策するときがある。「他者をだます」と「他者のブツの略奪」では、前者は出現回数は少なく、映画など長編でもちいられることが多い。だます対象は、「すごくでかい」とか「すごくつよい」とか、かなり圧倒的優位に立つスペックを備え、かつ、引きこもっていたり、遠方から来た新参者だったり、生まれたばかりの未成熟な状態である、という、だまされるのもいかんともしがたい事情が明確にしめされる。アンパンマンはたいていいちど圧倒的なパワーの前に瀕死状態となるが、最終的にはだまされた者本人の劇的な成長と意識改革により、アンパンマンが悪であるという誤解は解消される。
 教唆に比べると、「ブツの略奪」はテレビシリーズでも頻繁に行われる。なぜならば、『アンパンマン』にでてくるあまたのキャラクターたちは、圧倒的に食べ物属性キャラが多く、たいていが、質量保存とか等価交換とか(てきとう)関係無く、自らが自らの属性のたべものを生み出すことができるからだ。ばいきんまんの略奪を試みる行動のはじまりはたいてい、ドキンちゃんの要請であることが多いが、実はばいきんまん本人の動機による場合も非常に多い。はらへった。
 たべものを奇襲して奪い去ればいいのに、たいていは欠品だったり、なかなか補充されなかったりで、ドキンちゃんのプレッシャーもあるが案外せっかちで、ばいきんまんは素性を隠して変装し他者になりすまして、たべもの生産製造キャラに接近し、なんとか生産製造をさせて、成果物の強奪をはかるが、たいていは最後まで穏便にはおわらず、最終的に強奪していこうとする(そして失敗するデスティニー)。その変装は通常へったくそなバッレバレな変装であるが、高度にかわいく変装することがある。ばいきんまんはなりすましの際に、変装が高度であるほど、本人のキャラクターから乖離する。どの程度アイデンティティーの揺らぎがあるのか、ターゲットのキャラの性質によって、左右される、かわいくておしがつよいものには、あっというまに流される。オッサンか。そうすると、ターゲットとともに行動してる際、なんと、なりゆきでその「お手伝い」をしてしまうことがあるのだ。たべもの生産製造プロセスの手伝いパターンはよくある(気がする)が、できあがったものを「みんなにわける」という過程にすら荷担するのである(ターゲットそのものを拉致監禁するパターンもあるけど)。

  1. たべたい(ドキンちゃんの緊急要請)
  2. たべものを生産製造する特殊能力をもつ者をみつける
  3. 変装してターゲットに近づく(たいていはたべものが枯渇したタイミング)
  4. ターゲットのたべものの生産製造の手伝いをする(←わかる)
  5. たべものの配布を手伝う(←何故か)


 この、変装開始からばいきんまんであることが露呈するまでの言動、行動、仕草が、とてもかわいい。ターゲットの性質に巻き込まれているほど、ばいきんまんは発言のタイミングを逃し、変身したまま、ターゲットの周囲を右往左往しながら、しかし妙に親切に立ち動いていたりする。それがかわいい。
 しかしこの「ばいきんまんがかわいい」というのは、アンパンマンワールドにおいては頻繁に利用されるものではなく、出現回数を高度にコントロールされている性質であると思われる。「実はいいやつ」ということは、みんな知っているけれども、長編ではときおり邪悪すぎる悪が他に用意されてばいきんまん共闘する場合もあるけれど(たまーにたまーにあるよね)、基本は理不尽な「お前のものは俺のもの」的ふるまいをして最後にはアンパンマン一味からボッコにされるキャラクターでなければならないからである。
 アニメとしてのクオリティの高さ、とくに空中戦アクションシーンのすばらしさは、長編が圧倒的ではあるが、キャラクターの猛烈な魅力は、テレビシリーズのひとつひとつのエピソードの積み重ねである。変装するばいきんまんのかわいさは、そういった積み重ねのなかで時折顕現するまぶしいきらめきなのである。


それいけ!アンパンマン (フレーベルのえほん (9))
やなせ たかし
フレーベル館
売り上げランキング: 185,213


ナツカシー

やさしいライオン (フレーベルのえほん 2)
やなせ たかし
フレーベル館
売り上げランキング: 13,555

村上春樹『騎士団長殺し』第一部をやっと読んだ

「久々に面白かった。読んだほうがいいよ」とハルキストという言葉を歯牙にもかけない真の意味でのハルキストではなかろうかと思われる愛読者の家人がいうので、ハードカバーで字は大きいけど分厚くて長くて、最初はとても大変で、これはとても読みきれると思えないと大げさにおののいていたが、途中からまあまあのれるようになって、最後までいったけど、まだ第一部。いままででつい最近やっとよんだ『風の歌を聴け』についでまともに読んでいる一作であるが、ちなみにこの作品については、基本的に青春小説なのでアラフォー後半の女が読んでも、昔の青春小説を読むという点では面白いけれど共感できるところは限りなく少ないと感じてしまったのはまあしょうがなくて、何がそんなにすごかったのかは、当時の人でもないし、文学部で学んでもいないし読書家でもないのでちゃんとはわからないが、もう少し若い時に読みたかったなとか、村上春樹作品との出会いが中二と次がアラフォーだったのはちょっと不運だったなとは思ったりした。


 森博嗣アガサ・クリスティの小説と同じで、村上春樹の作品も読んでいるときが楽しいかどうかであって、読み終わったあとに知識は得ても、さわやかな余韻や深く考えさせられるとかを期待したり、教訓が得られると思ってはいけない。(森博嗣は作者がそういってるしアガサクリスティについてはまぁあれやこれや)では読んでいるときに楽しいかというと、楽しいところもあれば「クソか…?」という頻度が多いところは否めないが、それは文章に対するストレスではなく登場人物の行動などに対してであり、しかもその行動は、低迷している怠惰なテレビドラマで使用されるような絶望的に稚拙でペッラペラでご都合主義的キャラクターの行動や言動ではなく、実際にかぎりなくいそうでリアルで生々しくて気持ち悪いしかし絶対にいない人物である(絶対にいない、については偏見)ので、そこをスルーできるようになった、だいぶ大人になったことを実感する。そもそも行為を批判して読めないのでは、ほとんどの推理小説が読めないからナー。


 いまのところ○○○○がかわいいのと、○○さんの豪邸がゴージャスなの許す、という塩梅で読んでいるけど、許さない要素が増えたら、読んでいて楽しい部分を「気持ち悪い」が上回り続けたら、読むのをあきらめちゃうんだろう。○○○の描き方が、ああもうあいかわらずハルキだよイライラ! でちょっとあやしいので、そろそろかわいいものがでてきてほしい。いいかげんに、自分がちょっと気持ち悪い(いいものとわるいものがある)と思ったことをぐっとこらえて読んでこそ、人の成長があるような気はするんですけどね。


騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編
村上 春樹
新潮社 (2017-02-24)
売り上げランキング: 741

風の歌を聴け (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
売り上げランキング: 3,529

『ワンダーウーマン』を観たら語りたくなる症候群と

wwws.warnerbros.co.jp

 ともかく面白い映画だった。2時間21分の長尺も気にならず、映像は人物は美しくかわいく潔く、パキパキ進み、アメコミ的ストーリーと第一次世界大戦の冒険活劇もの的雰囲気のミックス具合が絶品で、それなりにギッタンバッタンなシーンがたくさんあるけれど、観ているあいだずーっと楽しかったので、ヒットもうなずけるが、日本ではまあやはり微妙だろうとは思うのは、第一次世界大戦だよ的説明がほとんどなかったからで、ナチスとちゃんぽんになっている人もたくさんいるし、それはもう日本の学校教育が危機的状況であるといえばそうなのだけど、ヒットするかしないかという話だとそれにつきるし、その他の理由は、ワンダーウーマンはかわいいけど、日本的今日的芸能界的基準からすれば立派な大人の女性なので、どんなに美人でかわいくて顔が小さくてスタイル抜群で露出度も珍しく高めでも、別の意味で露出しまくりスカートの裾をひらひらさせる幼児性アピールのアイドルグループが幅を利かせている国においては、見向きもしない男性も女性も多いだろう。大人の女の人があんなかっこしてww戦うとかww、意味わかんねwwで終わりで、それでいろんなものを掴み損ねて静かに沈んでいくのはその人の選択か運命か。


 長尺にくわえ(2時間を超えたら全部怪しむ)『マン・オブ・スティール』の終盤のかったるさでDCには距離をおきあやしんでいたが、ちょいちょい公開される写真によると、ワンダーウーマンが美人でかっこいい、クリス・パインがでるしかっこいいらしい、あの音楽も妙に気になるので、観に行こうと思っていたことを実行できた。ひとの入りは『ベイビー・ドライバー』ほどではないが、IMAXはどうしても、前のほうは開いてしまうのはしょうがない。一人できている男性が目について、入場を待つ列は白髪のおっさんがたくさんいたが、たぶん『関ヶ原』にいくのだろう、なるほどこういう層を狙った映画なのでなあとやや納得。


 以下ネタバレあり。

続きを読む

メロンを切る

 大きな編み目も重みもあるメロンを二つを頂いた。北の国からきたわけではなく四国の温室栽培で、見た目はいまいちだが味はよいと添えられた手紙がいうが、いかにも編み目のある高級そうな品で、外見の何が悪いのかさっぱりわからない、ともかくも、食べどきがさっぱりわからないから、一つはさっさと他へ譲り、さてともう一つと向かいあった。ふだんは編み目のないメロンですら買わないし、キウイでも食べるタイミングを逸すること度々なのに、メロンなどどうしてくれようかである。どれくらい高級かはわからないけれど、食べ慣れぬ立派なものが家庭内に鎮座すると何かと落ち着かないので、ちゃっちゃと喰ってしまうことができたらよいのだが。お中元にこれも人様からいただいていた冷凍のカツオのタタキは、さすがに一夏に三個もあるとなると、さすがにうまく食べられるようになって、カツオのタタキらしくするのには多少のコツがあるのもなんとなくわかってきた。スライスした玉ねぎを水にさらし、ミョウガを千切りにし、しょうがをすりおろし、本当はにんにくのスライスしたのやらおろしたのも必須だが、近所で手に入るにんにくではなかなか匂いがリスキーなので冷凍のカツオに付属でない場合はにんにくはやめておき、小口切りの万能ネギ、スダチやカボスなどあるとよい。カツオをきって並べてから、たまねぎやしょうがやネギをのせ、ミョウガを添え、タレをかけ、軽く全体を押し、食べるときに、上下半分に手をふるサザエさんの居場所のごとく切ったスダチを絞る。これがとても美味しい。かなりはずれがないが、大事なのはたまねぎで、値段をケチってはいけない、淡路島の玉ねぎを買う。
 メロンは常温で追熟させ、食べ頃になったら少し冷やして切って食べるとよいというが、食べどき判定は困難を極めるし、切ったあと巨大なメロンをどう保存し何日で食べきるかという、核家族より小さい家族では、ちょくちょく直面する問題がでてくる。スイカほどではないがでそろそろ10年のどちら側にも開く冷蔵庫には、なかなかの強敵だ。毎日朝晩メロンをながめては、さてぜんぜんすこしも表面が柔らかくならず、表面が柔らかくなったら食べ頃だと手紙に書いていたが、いっこうにそんな気配はなく、数日して譲った先のほうから「明日メロンを切る」「メロンを切った」と知らせがあり、曰く、蔓が枯れてきたから切ったとのことで、確かに瑞々しかったT字形のつるは、すっかりしなびて、だいぶ乾いていた。カラカラのカスカスではないが、それでいいのだろう。
 朝にエイヤと包丁をいれたら、そうだかぼちゃのように硬いものではない。皮はそこまではチカラはいらないし、中身はまあまあの塩梅で熟しているのだろう、力の加減が難しい。そしてたいていいつも大きめのネクタリンやプラムを半分にする場合もそうなのだが、真っ二つに割れるわけがない。けっこう偏った半球体が二つできた。ちょうどいいと小さいほうをまた二つにわって、贅沢にもほぼほぼ4分の1ずつ食べることした。
 甘みは十分、うまいうまい。起き抜けにドヤ顔の写真をとるのも忘れてむさぼりたべたが、しかしメロンが久しぶりで、このメロンがどれくらいとびっきり甘くて美味しいのかもよくわからない。甘みとスッキリさがなかなか絶妙でしかし濃厚なメロンとはいえないのだろうけど、味が薄いわけではないので、こんなメロンもなかなかである。

『ダンジョン飯』5巻がでたけど4巻から展開していた

 1から3巻まで買っていたダンジョン飯。4巻がでたとき、「おもしろいけど料理を作る話ばっかりだとなあ〜〜何巻続くかわからないしな〜〜」と渋っていたら、家人が新しいのがでたよと5巻の話をするので、まとめて2冊かったら、


 話が大きく展開していた。


ダンジョン飯 4巻 (ハルタコミックス)
九井 諒子
KADOKAWA (2017-02-15)
売り上げランキング: 907
ダンジョン飯 5巻 (ハルタコミックス)
九井 諒子
KADOKAWA (2017-08-10)
売り上げランキング: 28


 あまりのことに笑ってしまうくらいである。もしそのまま買わずにいたら、知らないまま過ごしていたんだなと思うと鼻の奥がツンとくる。


 それで。
 素直にゲラゲラ笑ってしまうマンガは久しぶりだ。いくつかマンガは続きで読んでいるけれど、声をだして笑ってしまうマンガなんて、すーーーごく久しぶり。話が大きく展開してびっくりだけど、それでも基本はコメディだ。コメディでこんなに内容があってかつ、笑わせてくれるの、すばらしい作品なのではなかろうか。いまさら、わいがいうまでもありまへんけど。


 もし1巻から読み始めて、「おもしろいけど」と思ってしまった人は、4巻、5巻まで、ぜひ読みすすめましょう。



 1巻の表紙がいちばん好き(^_^)